MENU

朝食を抜けば痩せると思っていた私が、コーヒーの香りで一日を始め直した話

  • URLをコピーしました!

朝七時十二分。

トースターの中では、食パンが静かに炭へ近づいていた。

その前で私は、湯気の立つコーヒーカップを両手で包みながら、体重管理アプリの数字を見つめていた。

朝食を軽くしたい私と、焦げたパンを捨てるのはもったいない私。

ダイエットとは、脂肪より先に「もったいない精神」と戦うことなのかもしれない。

キッチンには、コーヒーの香ばしい匂いと、少々の焦げ臭さ。

窓から入る朝日はきれいなのに、私の一日は早くも少しだけ予定を外れていた。

けれど、コーヒーをひと口飲むと、不思議と気持ちがこちら側へ戻ってくる。

「まあ、今日もやりますか」

誰もいない部屋でそうつぶやく。

これが、私の一日のスイッチをONにする小さな儀式だ。

目次

朝の一杯が、ダイエットより先に整えてくれたもの

私のスイッチはコーヒーでした

食べなければ減る、その計算だけは完璧だった

ダイエット中の朝食について、私は長いあいだ矛盾した気持ちを抱えていた。

朝はきちんと食べたほうがいい。

それは分かっている。

でも体重計の数字が前日より増えている朝には、理性より電卓が先に起きる。

「朝食を抜けば、その分だけ摂取カロリーが減るのでは?」

計算だけ見れば、実に頼もしい。

けれど午前十一時を過ぎるころ、私の頭の中は食べ物で満席になる。

仕事の文章を書いていても、「読者の心をつかむ導入」ではなく、「冷蔵庫に卵はあったか」が気になってしまう。

作家志望として、これはなかなか由々しき問題である。

以前の私は、朝食を抜いた自分に小さな達成感を覚えていた。

何かを我慢できた日は、少しだけ自分が立派になった気がしたのだ。

しかし昼になると、その立派な私はどこかへ消え、パン屋さんの前で新作サンドイッチを見つめていた。

しかも、朝食を抜いたという免罪符がある。

「朝を食べていないから、これくらい大丈夫」

その“これくらい”には、サンドイッチだけでなく、スコーンまで含まれる。

ときどきカフェラテも加わる。

朝に節約したはずの食欲が、利子をつけて戻ってくるのである。

厚生労働省の情報でも、朝食の欠食は栄養素摂取の偏りにつながる可能性が示されています。だから私は、「ダイエット中だから朝食を抜く」と単純に決めるのをやめた。厚生労働省「栄養・食生活」

もちろん、朝から豪華な定食を作るようになったわけではない。

私の朝は、そんなに丁寧ではない。

冷蔵庫を開けたまま、ヨーグルトの賞味期限を凝視する日もある。

バナナ一本とゆで卵で済ませる日もあれば、小さなトーストにチーズをのせる日もある。

大切にしたのは、「完璧な朝食」ではなく、「空腹を放置したまま一日を始めないこと」だった。

そして、その隣には必ずコーヒーがある。

私にとってコーヒーは、痩せるための飲み物ではない。

飲むだけで体重が落ちるという期待もしていない。

ただ、カップから立ちのぼる香りを吸い込み、温かさを感じる数分間が、慌ただしい頭と気持ちを同じ場所へ連れ戻してくれる。

朝食が体の準備なら、コーヒーは心の点呼なのだと思う。

「体、いる?」

「心、まだ布団?」

そんな確認をしながら、私は一日を始めている。

おしゃれな朝を演出して、昼前に全敗した日

少し前、婚活で知り合った人から、こんなことを言われた。

「朝はコーヒーだけなんです。忙しくて」

さらりと話す姿が、妙に洗練されて見えた。

私は心の中で、「私も同じです」と言いかけた。

本当はコーヒーだけの日もあれば、その後こっそり菓子パンを食べる日もある。

しかし、その場では少し見栄を張った。

「私も朝は軽めですね」

“軽め”という言葉は便利だ。

食べていなくても使えるし、二度寝で朝食の時間がなくなったときにも使える。

翌朝、私はその人の都会的な雰囲気を思い出し、コーヒーだけで仕事を始めてみた。

黒いコーヒー。

白いノート。

朝日が差し込む木製テーブル。

見た目だけなら、ライフスタイル雑誌の一ページである。

ところが十時半。

空腹で集中力が途切れ、原稿の中に同じ文章を二回書いていた。

十一時には、保存していた婚活相手のプロフィールではなく、近所のパン屋さんのメニューを見ていた。

そして昼前、私は店頭でカレーパンとクリームパンを買った。

一個に絞れなかった理由は、「甘いものと塩気のあるものは別枠」だからだ。

その日の私は、ダイエットに負けたというより、“丁寧な朝を演じようとした自分”に疲れてしまったのだと思う。

飲食業界で働いていたころ、忙しい朝にコーヒーだけで現場へ入る同僚がいた。

最初は元気なのに、昼前になると急に口数が減る。

反対に、小さなおにぎりやヨーグルトを食べてきた人は、派手ではないけれど淡々と動いていた。

あのころの私は、「朝食って大事なんだな」と他人を見ながら思っていた。

ところが自分のことになると、体重計の数字ひとつで、その記憶をきれいに忘れてしまう。

人にやさしい言葉をかけるのは得意なのに、自分には極端な命令を出してしまう。

「食べるな」

「もっと頑張れ」

「昨日より減らせ」

美容業界で働いていたときにも感じたが、きれいになりたい気持ちは、ときどき自分を雑に扱う方向へ進んでしまう。

でも、自分を雑にした朝は、その後の選択まで雑になりやすい。

私に必要だったのは、朝食を完全に抜く根性ではなく、昼まで穏やかに過ごせる小さな準備だった。

値段を見て閉じたページを、香りの記憶でもう一度開いた

朝のコーヒーをもう少し楽しみたいと思っていたころ、見つけたのが「LEO SPECIALTY COFFEE」だった。

最初に気になったのは、毎月違うコーヒー豆が届く定期便だということ。

浅煎りのLight、バランスを重視したMedium、深煎りのDarkから好みの方向を選べる。

豆や粉の定期便では毎月2種類、1年で24種類のコーヒーに出会えるという。

私は新しいものを試したいくせに、選択肢が多いと急に動けなくなるタイプだ。

婚活アプリでもコーヒー豆でも、比較しすぎると最初の画面へ戻ってしまう。

だから、「好みの焙煎タイプを選び、その中で毎月違う豆が届く」という仕組みは、私にはちょうどよく感じた。

さらに、Qグレーダー取得者が豆の評価や選定に関わり、焙煎前と焙煎後にハンドピックを実施。焙煎後1週間以内の発送を掲げているという。

コーヒーに詳しくない私でも、「選ぶ部分は専門家に少し任せて、飲む時間を楽しむ」という形なら続けやすそうだった。

ただし、価格を見た瞬間、私の中の家計簿係が眼鏡をかけた。

豆・粉300gの定期便は、確認時点で月額3,980円、送料無料。

「一杯の時間を大切にしたい私」と、「いつものコーヒーならもっと安いと知っている私」が、脳内会議を始めた。

年収300万円、作家志望、婚活中。

私には、コーヒー代を一切気にせず決められるほどの余裕はない。

だからこそ、月額だけでなく、自分が一か月に何杯飲むのか、一杯あたりどのくらいになるのかまで考えた。

安さが最優先の人や、コーヒーの味にあまりこだわらない人には、必ずしも向いていないと思う。

また、毎月届くものなので、飲む量が少ない人は余らせてしまう可能性もある。

酸味が苦手なのにLightを選ぶなど、焙煎タイプが好みと合わなければ、期待した印象と違うこともありそうだ。

定期便はいつでもスキップ・解約可能と案内されているけれど、手続きの期限や現在の販売条件は、申し込む前に公式サイトで確認しておきたい。

一方で、私のように毎朝コーヒーを飲み、それを一日の楽しみにしている人なら、単なる飲み物ではなく「朝を始める道具」として考えられる。

忙しい日は、朝食がバナナとヨーグルトだけでもいい。

寝癖が直りきっていなくてもいい。

昨日の婚活メッセージへの返信を、まだ決められていなくてもいい。

コーヒーを淹れる数分間だけは、自分を急かさない。

その時間にお金を使うと考えたら、私は少し見方が変わった。

LEO SPECIALTY COFFEEの詳しいコースや最新価格は、公式サイトで確認できます。

スイッチは、強く押さなくても入る

夕方、私は朝に焦がしたパンのことを思い出した。

あのときは「今日もダメな始まり方をした」と思ったけれど、振り返れば、その後はそれほど悪くない一日だった。

昼食を慌てて詰め込むこともなく、夕方に甘いものを探して戸棚を三往復することもなかった。

原稿も少し進んだ。

婚活の返信も、必要以上に格好をつけずに送れた。

たぶん、朝食やコーヒーだけで人生が変わったわけではない。

ダイエットも、たった一杯で成功するほど単純ではない。

それでも、朝の自分を空腹のまま置き去りにしなかったことが、その日の私を少しだけ落ち着かせてくれた。

私は以前、ダイエットとは「自分を厳しく管理すること」だと思っていた。

食べたいものを我慢し、決めた数字を守り、できなかった日は反省する。

けれど今は、管理よりも“機嫌よく続けられる形を探すこと”のほうが大切なのかもしれないと思っている。

朝食は豪華でなくていい。

毎日まったく同じでなくてもいい。

コーヒーも、健康やダイエットのために義務として飲むのではなく、自分がほっとできる範囲で楽しめばいい。

カフェインへの感じ方には個人差があるので、胃の不快感や動悸、眠りへの影響が気になる場合は、量や飲む時間を見直すことも必要だ。

私は朝、コーヒーを飲むことで一日のスイッチをONにしている。

けれど、そのスイッチは勢いよく叩くものではなかった。

カチッ、と小さく押せばいい。

「今日こそ完璧にやる」ではなく、

「今日も、とりあえず始めてみる」

そのくらいが、私にはちょうどいい。

翌朝。

キッチンにコーヒーの香りが広がる。

昨日より少し薄く切ったトーストと、ヨーグルトをテーブルに置く。

体重管理アプリは開いたけれど、数字を見て朝食を取りやめることはしなかった。

コーヒーをひと口飲み、窓の外を見る。

人生もダイエットもまだ途中で、婚活の返事もまだ来ていない。

それでも私は、昨日より少しだけ、自分の朝を好きになれていた。

あなたの一日を静かに始めてくれるものは、何ですか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次